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(一) モーセの信仰① [神聖の系譜]


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『神聖の系譜』
メソポタミア〔シュメール〕
ヘブライ&日本の古代史
 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦 
 
第二部 メソポタミアとイブル〔ヘブライ〕
 第三章 『旧約聖書』「出エジプト記」とモーセ
  (一) モーセの信仰
    (1) モーセの伝承
  セム系アッカード人が
 シュメールに都市国家を建設したが、
 その創立者はサルゴンと呼ばれた
 シャルル・キンであった。
 彼は乳幼児の時アスファルトを塗られた
 籠に入れられユーフラテス川に流された。
 この伝説と同じように籠に入れられ
 川に流されたとの伝承を語られるのが
 モーセである。
  モーセ MShH の伝承は
 「出エジプト記」に語られるが、
 ヘブライ人が
 エジプトに下っていた時のことである。
 
 エジプトのファラオ(聖書ではパロ)が
 生まれたばかりのヘブライの男児を
 すべて殺すよう命じたことに始まる。
 ヘブライ人の支族レビ家に生まれた男児を
 その死を逃れるため
 母は籠に入れナイル川の葦の中に置いて流した。
 
 その籠はファラオの娘に拾われ、
 実母が乳母として育て、
 成長後にファラオの娘のところにつれて行き、
 その息子として成長したという物語である。
  モーセの物語には水に係わる伝承が多い。
 エジプトを一人逃れて行った先 
 ミデヤンの地の井戸のかたわらに座していた時に
 祭司の娘七人に会う。
 そのうちの一人ツィポラが彼の妻となる。
 神の山ホレブで神の啓示を受けたモーセが
 エジプトのファラオの下に帰り
 行った一つはその地の水を
 すべて血に変えてしまうことである。
 「彼はパロとその家来たちの目の前で、
  杖を挙げてナイル川の水を打つと
  川の水はことごとく地に変わった。
  それで川の魚は死に、川は臭くなり、
  エジプト人は
  川の水を飲むことができなくなった。
  そしてエジプト全国に亘って血があった」
 と語られる。
  さらに、モーセがヘブライ人を引率して
 エジプトを出る際には海を割いて陸地として
 彼らを渡らせ、
 追いかけるエジプトの軍隊を水没させた。
   モーセが手を海の上に差し伸べたので、
  主は夜もすがら強い東風をもって
  海を退かせ、海を陸地とされ、
  水は分かれた。
  イスラエルの人々は
  海の中の乾いた地を行ったが、
  水は彼らの右左に垣となった。
  エジプト人は追ってきて、
  パロのすべての馬と戦車と騎兵とは、
  彼らの後について海の中に入った。
  (中略)
  その時、主はモーセに言われた。
  『あなたの手を海の上に差し伸べて、
   水をエジプト人と、
   その戦車と騎兵との上に
   流れを返らせなさい』
  モーセが手を海の上にさし伸べると、
  夜明けになって海はいつもの流れに返り、
  エジプト人はこれに向かって逃れたが、
  主はエジプト人を海の中に投げ込まれた。
 このように
 モーセには水と係わる伝承が強烈である。
 モーセに水を操る力を与えたのは神である。
 
 神はモーセに対し語る。
 「わたしは主である。
  わたしはアブラハム、イサク、ヤコブには
  全能の神として現れたが、
  主という名では
  自分を彼らに知らせなかった」
  
  (2) モーセ一人エジプトを脱出する
        
  『旧約聖書』「出エジプト記」
 第二章一一節は次のように記す。
 
   モーセが成人したころのこと、
  彼は同胞のところへは出て行き、
  彼等が重労働に服しているのを見た。
 
  モーセは辺りを見回しだれもいないのを
  確かめるとそのエジプト人を打ち殺して
  死体を砂に埋めた。(中略)
 
  ファラオはこの事を聞き、
  モーセを殺そうと尋ね求めたが、
  モーセはファラオの手を逃れて
  ミディアン地方に辿りつき、
  とある井戸の傍らに腰を下した。
 
  さて、
  ミディアンの祭司に七人の娘がいた。
 
  彼女たちがそこへ来て水を汲み、
  水ぶねを満たし、
  父の羊の群れに飲ませようとしたところへ
  羊飼いの男たちが来て
  娘たちを追い払った。
 
  モーセは立ち上がって娘たちを救い、
  羊の群れに水を飲ませてやった。
 
  娘たちが父レウエルのところに帰ると、
  父は
  「どうして今日はこんなに早く帰れたのか」
  と尋ねた。(略)
 
  モーセが
  この人のもとに留まる決意をしたので、
  彼は
  自分の娘ツィポラをモーセと結婚させた。
  
  彼女は男の子を産み、
  モーセは彼をゲルショムと名付けた。
 
  彼が
  「わたしは異国にいる寄留者(ゲール)だ」
  と言ったからである。
 
 続いて第三章第一節の初めには
 「モーセ舅であり、ミディアンの祭司である
  エトロの羊の群れを飼っていた~」とある。
 
  (a)  ミディアンの地と祭司一族
 
  モーセが
 「ミディアン」の地に長期に亘って
 逗留した意義は『旧約聖書』の民、
 つまりイブルの人々の信仰文化に
 極めて大きな影響を与える根拠となった。
 
 その地名 MDYN は
 イブル語の語彙に留められ、
 また現在も紅海のアラビア半島側
 奥地に同地称として用いられている。
 
 この用語にも前第二章で紹介したように
 深遠な内容が背景にある。
 
 これまたシュメール語で MDYN 名を
 理解すればその深遠さが明白となる。
 
 シュメール語に
 「国、地方」を表す ma-da があり、
 イブル語での「国」の基であろう。
 
 同語はまた「土地」との語義が
 シュメール語にはある。
 
 またその結合語 YN であるが、
 そのシュメール語の相応な用語は an である。
 
 "a"がイブル語で Y になっている例は
 すでに前章で紹介した。
 
 この場合も同じである。
 
 an の語義は「天」ながら「天神」の語義がある。
 
 「天神」の映像はこれも前章での
 諸伝承の紹介に明らかであろう。
 
 MDYN:MD-AN とは「土地-天神」で、
 その意義は「天神の地」を表している。
 
 このミディアン名については
 「創世記」第二五章の当初に
 アブラハムの正妻サラの後の
 側妻の子として同名で登場しており、
 エファ、エフェル、ハノク、アビダ、エルダイ
 とあるが、
 ミディアンの祭司との関係は明白でない。
 
  そこでモーセがミディアンの地で
 関係した人たちの名称の語義を
 シュメール語で解釈してみる。
 
 まずモーセの妻となった「ツィポラ」から。
 
 「モーセはミディアンの地に辿りつき、
  とある井戸の傍らに腰を下ろした」とあり、
 そこで妻となった人に初めて会った。
 
 つまり彼女は za-bur〔人-泉(井戸)〕であるが、
 イブル語の TSPLH の発音に近い解釈をすれば
 za-pu-la〔人-泉(井戸)-豊かな〕で
 「豊かな水の出る井戸の人」となる。
 
 また「その父の羊の群れ」との説明があるように
 その父の名レウエル RYVAL は 
 ru-u-alu〔与える-雌羊-水-豊かな〕で
 「雌羊に豊かな水を与える」で、
 彼は祭司ながら羊飼いだったのである。
 
 「出エジプト記」第三章には前記のように
 「モーセは舅でありミディアンの祭司である
  エトロの羊の群れを飼っていた」とあり、
 祭司をエトロ YTRV と呼び替えている。
 
 この語は同じく ah-tur〔作る-家畜小屋〕と
 やはり羊(家畜)飼いに因むと解釈される。
 
 このようにモーセの妻の一族の名称は
 シュメール語で「出エジプト記」の
 記述内容に即して理解できる。
 
 「出エジプト記」においても「創世記」同様
 メソポタミアの文化的影響が確認でき、
 おもにシュメール語を取入れて
 解釈を試みるのも大事である。
 
  ≪参考≫ミディアン
 
M.K記

 連絡先:090-2485-7908

 

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