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(三) アブラムとアブラハム [神聖の系譜]


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『神聖の系譜』
メソポタミア〔シュメール〕
ヘブライ&日本の古代史
 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦 
 
第二部 メソポタミアとイブル〔ヘブライ〕
 第一章 旧約聖書「創世記」とメソポタミア
  
 (三) アブラムとアブラハム
   
   創世記一七章は次のように始まる。
 
    アブラムの九九歳の時、
    主はアブラムに現れて言われた。
 
   「わたしは全能の神である
   あなたはわたしの前に歩み、
   全き者であれ、
   わたしはあなたと契約を結び、
   大いにあなたの子孫を増すであろう」
 
   アブラムはひれ伏した。
   神はまた彼に言われた。
 
   「わたしはあなたと契約を結ぶ
   あなたの名は、
   もはやアブラムとは言われず、
   あなたの名は
   アブラハムと呼ばれるであろう。
   わたしはあなたを
   多くの国民の父とするからである」。
 
 この時を機にアブラムは Abraham となった。
 
 神による改名伝達の意義は何であったろうか。
 
 その理由を
 
 「あなたを多くの国民の父とするからである」
 
 といっている。
 
 アブラム名に
 その語義が含まれているのであろうか。
 
 セム語に属するアッカド語において
 「人間」を表わす用語は awilim であるが、
 
 アブラムはこのアビリウムを祖語として
 作られた人名と考えられる。
 
 awilim を理解するにはシュメール神話
 「アトラ・ハシース物語」を
 参照しなければならない。
 
 アッカド語の楔形文字で書かれた
 この物語に登場する用語 awelu が
 その祖語である。
 
  同神話は物語る。
 
 神々の間では
 上位と下位の神々に分かれていて、
 下位の神々がその共同体のために
 労働に従事していたが、
 彼等は疲れ果て労働を拒否し始めたので、
 上位の神々は困ったが、
 知恵の神エア神(シュメールのエンキ神)が
 解決策を提案する。
 
 一人の神を殺し、
 粘土にその血を混ぜて粘り込んで、
 それで新しい生物を作り、
 その新しい生物に神々の共同体のために
 労働させようというものである。
 
 困窮していた神々はそれに同意した。
 
 そして犠牲に殺された下位の神が
 We-ilu(We神)であり、
 新しく組成された生物が、
 その神の名をつけたもの
 awelu つまり人間であった。
 
 よって人間は神のために労働する奴隷である。
 
 後になって自由民に対する非自由民として
 この用語は使われたが、
 本来の意味では神に対する隷属であって
 人間社会における支配の関係ではない。
 
 その意味における奴隷は
 アッカド語では ardi がある。
 
 神々の奴隷である人間は神の食料(神饌)を
 確保するために労働に勤しみ日々供物を
 献ずるように運命づけられている。
 
 この運命を従順に守り
 供儀を励行するのがセム族で、
 セムは šum(シュメール語で「供儀する」)
 であることはすでに述べた。
 
 ノアも箱舟から出てから神に犠牲を献げた。
 
 アッカドの粘土板の資料には
 日々神に献げられた供物のリストが
 めんめんと記されている。
 
 アブラムも
 
 「ヘブロンにあるマムクテレビンの
  木のかたわらに住み、
  その所で主に祭壇を築いた」(第一三章)。
 
  さて、アブラムは、主により
 
 「あなたの名は、
  もはやアブラムとは言われず、
  あなたの名は、アブラハムと
  呼ばれるであろう」
 
 と改名を宣告された。
 
 アッカド語の ilu は we-ilu(we神) に
 みられるように神の意味であるが、
 これが複数となると 
 elhm エロヒーム(神々)となる。
 
 同様に人間 awelu の複数表現は
 awelhm(人々)となる。
 
 この語がアブラハム Abraham の祖語である。
 
 つまり単数名に依るアブラムは
 彼の家族の長を表しているが、
 複数となることにより多数の人々
 「国民の父」、
 ヘブライ民族統合(natiuns)の
 首長となったのである。
 
 これがアブラハムの語義である。
 
 彼は子孫が増やされる
 ヘブライ民族の将来を
 太祖として治めることを
 神と契約したのである。
 
 《参考》
 創世記一七章
 
第 17 章
1 アブラムの九十九歳の時、主はアブラムに現れて言われた、/「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前に歩み、全き者であれ。
2 わたしはあなたと契約を結び、/大いにあなたの子孫を増すであろう」。
3 アブラムは、ひれ伏した。神はまた彼に言われた、
4 「わたしはあなたと契約を結ぶ。あなたは多くの国民の父となるであろう。
5 あなたの名は、もはやアブラムとは言われず、/あなたの名はアブラハムと呼ばれるであろう。わたしはあなたを多くの国民の/父とするからである。
6 わたしはあなたに多くの子孫を得させ、国々の民をあなたから起そう。また、王たちもあなたから出るであろう。
7 わたしはあなた及び後の代々の子孫と契約を立てて、永遠の契約とし、あなたと後の子孫との神となるであろう。
8 わたしはあなたと後の子孫とにあなたの宿っているこの地、すなわちカナンの全地を永久の所有として与える。そしてわたしは彼らの神となるであろう」。
9 神はまたアブラハムに言われた、「あなたと後の子孫とは共に代々わたしの契約を守らなければならない。あなたがたのうち
10 男子はみな割礼をうけなければならない。これはわたしとあなたがた及び後の子孫との間のわたしの契約であって、あなたがたの守るべきものである。
11 あなたがたは前の皮に割礼を受けなければならない。それがわたしとあなたがたとの間の契約のしるしとなるであろう。
12 あなたがたのうちの男子はみな代々、家に生れた者も、また異邦人から銀で買い取った、あなたの子孫でない者も、生れて八日目に割礼を受けなければならない。
13 あなたの家に生れた者も、あなたが銀で買い取った者も必ず割礼を受けなければならない。こうしてわたしの契約はあなたがたの身にあって永遠の契約となるであろう。
14 割礼を受けない男子、すなわち前の皮を切らない者はわたしの契約を破るゆえ、その人は民のうちから断たれるであろう」。
15 神はまたアブラハムに言われた、「あなたの妻サライは、もはや名をサライといわず、名をサラと言いなさい。
16 わたしは彼女を祝福し、また彼女によって、あなたにひとりの男の子を授けよう。わたしは彼女を祝福し、彼女を国々の民の母としよう。彼女から、もろもろの民の王たちが出るであろう」。
17 アブラハムはひれ伏して笑い、心の中で言った、「百歳の者にどうして子が生れよう。サラはまた九十歳にもなって、どうして産むことができようか」。
18 そしてアブラハムは神に言った、「どうかイシマエルがあなたの前に生きながらえますように」。
19 神は言われた、「いや、あなたの妻サラはあなたに男の子を産むでしょう。名をイサクと名づけなさい。わたしは彼と契約を立てて、後の子孫のために永遠の契約としよう。
20 またイシマエルについてはあなたの願いを聞いた。わたしは彼を祝福して多くの子孫を得させ、大いにそれを増すであろう。彼は十二人の君たちを生むであろう。わたしは彼を大いなる国民としよう。
21 しかしわたしは来年の今ごろサラがあなたに産むイサクと、わたしの契約を立てるであろう」。
22 神はアブラハムと語り終え、彼を離れて、のぼられた。
23 アブラハムは神が自分に言われたように、この日その子イシマエルと、すべて家に生れた者およびすべて銀で買い取った者、すなわちアブラハムの家の人々のうち、すべての男子を連れてきて、前の皮に割礼を施した。
24 アブラハムが前の皮に割礼を受けた時は九十九歳、
25 その子イシマエルが前の皮に割礼を受けた時は十三歳であった。
26 この日アブラハムとその子イシマエルは割礼を受けた。
27 またその家の人々は家に生れた者も、銀で異邦人から買い取った者も皆、彼と共に割礼を受けた。 
 
 アブラハムの誕生
  
M.K記

 連絡先:090-2485-7908

  

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