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第十二章 大国主神と大物主神:大物主神 [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]





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創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
 執筆時期:1999~2000年

第十二章 大国主神と大物主神:大物主神
  
  本書において「大物主神」が
 インドラ神であることを
 最初に述べたのは
 
 第11章の
 「大江戸:塩土老翁の鎮座地」であった。
 
 大神神社の鎮座する「桜井」が
 インドラ神の尊称である
 śakra に依るものであることを示した。
 
 サンスクリット語の同語は本来の意味を
 「力のある、強い」の語義で、
 天界の最初の支配者に対する尊称である。
 
 因みに「井」は
 磐余池(いわれいけ)のことであるが、
 「磐余」は「伊波礼」と訓み、
 これもサンスクリット語の
 hvāra の転訛で
 「曲がりくねっているもの」の語義で
 蛇を表わすが、
 その動詞の 
 Hvr 、 
 hvarate は
 「曲がる、降りる」、
 「曲がって行かせる」で
 「さまよう」を意味する。
 
 磐余の地は『日本書紀』が
 神武天皇が来る以前は
 片居あるいは片立といったと述べているが、
 「片」は 
 kāta(khāta) で
 「池、井、穴」を表わす。
 
 神武天皇は
 「神倭伊波礼毘古」とその和名を称するが、
 その東征をいったもので
 「さまよう」あるいは
 「降臨」を表現したものである。
 
 Hvāra が「イワレ」となった理由は 
 havala が「阿夫利」になったり、
 hava が「阿部」になった例と同じである。
 
 「蛇」は大神神社の信仰に重要な意義がある。
 
 蛇を意味するサンスクリット語には 
 ahi があり、
 ahi-dvis 
 「蛇王、龍王」を表わす。
 Dvis は deveśa で
 「諸神の主」で「王、王侯」を表わす。
 
 この 
 deveśa が
 「大物主(だいぶつしゅ)」へと転訛したのである。
 
 同語はヒンズー教においては
 ブラーフマン、ヴィシュヌ、シヴァの
 各最高神をも含むが、
 バラモン教の初期においては
 インドラ神が最初の天界の支配的神であり、
 śakra の地名がここにあることから、
 大神神社の
 「大物主 deveśa 」は
 インドラ神をおいては外にない。
 
 しかも 
 ahi-dvis はまたインドラ神の別称であり、
 ahi は「オホ」であり、
 「太神」ないし「大神」の祖語でもある。
 
 Deveśa(dvis) の語幹deva は「神」である。
 
 三輪山の蛇に関する伝説は
 『日本書紀』
 雄略天皇7年の秋7月の伝承を初め、
 よくみられる。
 
 天皇、
 少子部連蜾蠃(ちいさこべむらじのすがる)に
 詔して曰はく、
 「朕(ちん)、
   諸岳の神の形を見むと欲(おも)ふ。
 
   或いは云わく、
   此の山の神をば大物主神と為(い)ふといふ。
 
  (略)
 
   汝、膂力人(ちからひと)に過ぎたり。
  自ら行きて捉(とらえ)て来」とのたまふ。
 
 蜾蠃、答へて曰はく、
 「試に往りて捉へむ」とまうす。
 
 乃ち三諸岳に登り、大蛇を捉取へて、
 天皇に示(み)せ奉る。
 
 天皇斎戒したまはず、
 其の雷虺虺(かみひかりひ)きて、
 目精赫赫(まなこかがや)く。
 
 天皇、畏(かしこ)みたまひて、
 目を蔽(おほ)ひて見たまはずして、
 殿中に却入(かく)れたまひぬ。
 
 岳に放たしめたまふ。
 
 仍(よ)りて改めて名を賜ひ雷とす。
 
 大物主神は「大蛇」で
 赫々と輝く眼を持つ神であった。
 
 この神はすでに
 「海を光(てら)して依り来る神」であったが、
 ここに雷神であることが記されている。
 
 インドラ神が大杉神社や雷電神社に
 稲妻、雷光神として祀られていることは
 既に述べた。
 
 『日本書紀』の
 崇神天皇の9年9月の条には、
 倭迹迹日百襲姫命
 (やまとととひももそひめのみこと)が
 大物主神の妻となったが、
 その神がいつも昼には現れないで、
 夜にやって来たので、
 策をもって試みたところ、
 夫は蛇であったことを知り、
 その策を後悔して陰部に
 箸を撞きたて死んでしまうという
 物語を載せている。
 
 蛇が大神神社の信仰に大事であることは、
 同社の拝殿の右手に「巳(み)の神杉」の垣が
 置かれていることでもよく解かる。
 
 「巳」は蛇の意味である。
 
 「杉」はその神木であるが、
 京都市伏見区の稲荷山の
 「大杉、傘杉」や「大杉神社・稲敷」で
 みたように雷光を象徴し、
 サンスクリット語の 
 śuci を祖語とする用語である。
 
 大杉神社の祭神大国主命を
 同社は「大己貴神」と表記するが、
 この「己貴」は「巳貴」であったとも考えられる。
 
 「巳貴」は「シキ」で「志貴」となり、
 「磯城」でもあると推測される。
 
 「己貴」とされるのは
 「つちのと」を主旨としたものである。
 
 「巳」は十二支の第六位であり、
 双方は同義であろう。
 
 このように大物主神とは
 蛇王神 (ahi-dvis) であり、
 雷神である。
 
M.K記
連絡先:090-2485-7908


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