第十一章 日本に祀られたインドの神々: 『埼玉・鹿島:剣持神の国』(8)剣を地名とする里 [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]
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創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
《第十一章 日本に祀られたインドの神々:
『埼玉・鹿島:剣持神の国』(8)剣を地名とする里》
出雲郷の東隣の揖屋町は「生尾」と通じ、
意宇が大国主命を奉祭した
富氏の勢力範囲であったことを示す。
富氏の奉祭する出雲井神社は
現在出雲大社の地に出雲国造の創設後に
移されたことはよく知られるところである。
島根県簸川郡簸川町に
現在富村(とびむら)があるが、
その地は斐伊川の湾曲した位置にあり、
川(水)に巻かれる地形にあるが、
古くは斐伊川と宍道湖の間にあった。
その西北側に出雲国風土記にもある
鳥屋神社が鎮座する鳥井地区がある。
これは dvi-ja の転訛で、
桜井市の外れ、
磯城島とその様子がよく似ている。
以上のような考察から、
大彦命の系譜では
稲荷山古墳の鉄剣に現れる
「多」は、神八井耳命を祖とする
「意富臣」系列とは全く違う。
大和盆地にいた最も古い(太初)氏族
「生尾人」の系列にあるものと
知ることができるのである。
因みに
出雲風土記「出雲郡」の最後に記述されている
役職者名の中に「少領外従八位下太臣」とある。
埼玉県埼玉郡の西側の郡名大里郡は
「多氏(生尾人)の里」とよいことが判った。
大里郡大里村高本に高城神社、
熊谷市宮町にも高城神社が鎮座する。
この「高城」はサンスクリット語の
tarkuati の語幹
tark- を転訛させた神社名である。
前者の近くには市田の地名があり、
これも「智度」である citta である。
また後者の神社は近郊に千形神社があり、
千形(近津)は
cikiṭṣa で「知識ある者」の意で
tark- に相当する。
熊谷市の西隣り深谷市西島及び宿根の
滝宮神社はこの系列に入る。
大里郡内の寄居町保田原の
「波羅伊門神社」と同町西ノ入の
「波羅伊門神社」は双方とも
brahman (神聖な知識を得た者)の転訛で、
一般に
バラモンといわれる
祭官を表わす用語である。
また、
同町内赤浜にある
出雲乃伊波比神社は
入間郡毛呂山町岩井の同名社の
天穂日命に因む神社名で
「伊波比」は「剣、刀」を表わす用語であり、
神名の「穂」が「矛」であることを覗わせる。
毛呂山町の出雲伊波比神社のある
岩井は「伊波比」の転写であるが、
同町の北側比企郡鳩山町の東端にある
石坂、東松山市の岩殿は
この伊波比が基礎になっていると見られる。
両地区の間にある物見山は
「物:布都・経津」に係わる剣が介在する。
この地区の南側は坂戸市であるが、
そこの石井は「岩井」であり、
「坂戸」は埼玉
śakti-mat の śakti の音写、
鹿島神宮の摂社坂戸社とおなじである。
このように
北武蔵には「剣」を地名とする
里郷が散在しているのである。
茨城県岩井市の
「イワイ」も「伊波比」と同根である。
ここは
平将門の本拠地であったところである。
岩井地区内に
藤田神社(小字藤田)があるが、
藤田は市内の冨田、辺田地区名と通じ
「布都:剣」を表わす。
藤田の東側の幸田(こうだ)は
「サキタ」で śakti (剣)に依る。
この幸田の東隣りが水海道市の大生郷で
「尾生」あるいは「生尾人」に通じる。
その大生郷の北側は結城郡石下町で、
町内に阿部神社(豊田)が鎮座する。
石下は「伊波我」とも読め、
祖語が「剣」であったと考えられる。
この地域からは少々離れているが、
同県の栃木県境にある
笠間市には
石井(いしい)神社(石井)が鎮座するが、
この名称は「イワイ」が古名であった。
石井の南隣りは
来栖で栗栖と同じ「剣」で、
その東方の佐志能神社、
大渕の佐城(佐白)、才木の祖語も
śas-ti śakti である「剣」で、
「イワイ」であったことを補足する。
石井の近郊に大郷戸(おおごと)がある。
大郷は大生郷と同義と考える。
笠間市内には常陸風土記に載る
「大神駅」があって
三輪山を進行する人々がいたことを示す。
同市の西方の真壁郡には
大和村がある。
村内には高久神社がある高久、
大国玉神社のある大国玉、
そして阿部田の地区名があり、
阿部氏族の存在を覗わせる。
大国玉神社は
『延喜式神名帳』に
真壁郡一座として同名で載り、
大国主命を祭神する。
鹿島郡鉾田町の「鉾」は矛で
「二つの刃のある剣」である。
町内には坂戸、鳥栖地区に
黒栖神社が鎮座するが、
黒栖は栗栖と同様で、
この町名が
「剣」に由来する状況が知られる。
2019-09-14 10:24
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