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第二章 地名「アルパチヤ」 [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]

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 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
 執筆時期:1999~2000年

《第二章 地名「アルパチヤ」




  これまで説明の対象にしてきた

 碗形土器を出土した

 アルパチャ遺跡からは、

 その他にも牛頭意匠をあしらった

 鉢形土器などの彩色土器類が

 発見されていることは先に説明した。

 

 これらの土器類は

 外から輸入されたものでなく、

 この域内で焼成されたものであることは

 イスマイル・ヒジャラなど

 イラクの専門家の発掘調査により

 明らかになっている。

 

 ここに

 「牛頭信仰」の拠点があったことを知らせる

 土器類の遺留状況である。

 

 アルパチャ・Arpachiya遺跡は

 ニネヴェの東側でそう遠くない地点に

 位置している。

 

 ニネヴェは

 アッシリア帝国の中心都市であった。

 

 紀元前1800年頃に

 北メソポタミアに君臨し始めた

 古アッシリアは首都を南下させ、

 新アッシリアの紀元前9~7世紀になると

 ニネヴェを中心とする地域に

 首都を置くようになる。

 

 アッシリア語の牛頭を表す用語は

 アルプ alpu である。

 

 この言葉は北メソポタミア起源でもないし、

 シュメル語でもない。

 

 紀元前1600年を少々遡る頃

 地中海沿岸のカナアン地方で

 発明された原カナアン文字の系統に

 連なる言葉である。

 

 この文字は、

 楔形文字の表意文字に対し、

 表音文字の始源となり、

 フェニキア語(ウガリト文字)、アラム語、

 後のヘブライ語、アラビア語の

 基礎となったばかりでなく、

 その波及はフェニキア文字を取り入れた

 ギリシャ文字やラテン文字へと広がり、

 現在使われている

 アルファベットの根源でもある。

 

 アッシリア語 alpu は

 この原カナアン語 alp を

 移入した呼称である。

 

 因みに alp は

 フェニキア文字などで変化し、

 現在の「A」になっており、

 この文字体系を alphabet というのである。

 

 アルパチャの地名はこの alpu に起源をもつ。

 

 ハラフ期からカルト 

 khald と称されていた「牛頭」は、

 多分中期アッシリア時代からか

 アルプに変名したのである。

 

 その後「土地」ないし「境界」を意味する 

 tô^ をつけ、

 地名として Arpachiya が成立し、

 現在に至っていると考えられる。

 

 この地方に「牛頭信仰」の拠点としての

 神殿があったことを

 示しているといえるだろう。

 

 ※旧約聖書創世記第10章22に出てくる

  セムの子孫名

  アルパクサデ・Alpaxadは

  このアルパチャの地に係わる

  名称であることを付記しておきたい。

 

 ※イラクの考古学者イスマイル・ヒジャラ 

   (ISMAIL HIJARA)が1976年に報告した:


  IRAQ VOLUME XLII PART2 AUTUMN 1980       ARPACHIYAH 1976

  by ISMAIL HIJARA AND OTHERS

  ARPACHIYAH1976

 

 ※ARPACHIYAH 1976 ISMAIL HIJARA AND OTHERS


 

 『参考』Tell Arpachiyah (Iraq)


 



M.K記

 

 

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