第二章 地名「アルパチヤ」 [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]
『バグダッド下水音頭』http://blog.livedoor.jp/matmkanehara10/archives/52049176.html
《第二章 地名「アルパチヤ」》
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(かっこ○´д`○)こんにちわぁ♪
創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
これまで説明の対象にしてきた
碗形土器を出土した
アルパチャ遺跡からは、
その他にも牛頭意匠をあしらった
鉢形土器などの彩色土器類が
発見されていることは先に説明した。
これらの土器類は
外から輸入されたものでなく、
この域内で焼成されたものであることは
イスマイル・ヒジャラなど
イラクの専門家の発掘調査により
明らかになっている。
ここに
「牛頭信仰」の拠点があったことを知らせる
土器類の遺留状況である。
アルパチャ・Arpachiya遺跡は
ニネヴェの東側でそう遠くない地点に
位置している。
ニネヴェは
アッシリア帝国の中心都市であった。
紀元前1800年頃に
北メソポタミアに君臨し始めた
古アッシリアは首都を南下させ、
新アッシリアの紀元前9~7世紀になると
ニネヴェを中心とする地域に
首都を置くようになる。
アッシリア語の牛頭を表す用語は
アルプ alpu である。
この言葉は北メソポタミア起源でもないし、
シュメル語でもない。
紀元前1600年を少々遡る頃
地中海沿岸のカナアン地方で
発明された原カナアン文字の系統に
連なる言葉である。
この文字は、
楔形文字の表意文字に対し、
表音文字の始源となり、
フェニキア語(ウガリト文字)、アラム語、
後のヘブライ語、アラビア語の
基礎となったばかりでなく、
その波及はフェニキア文字を取り入れた
ギリシャ文字やラテン文字へと広がり、
現在使われている
アルファベットの根源でもある。
アッシリア語 alpu は
この原カナアン語 alp を
移入した呼称である。
因みに alp は
フェニキア文字などで変化し、
現在の「A」になっており、
この文字体系を alphabet というのである。
アルパチャの地名はこの alpu に起源をもつ。
ハラフ期からカルト
khald と称されていた「牛頭」は、
多分中期アッシリア時代からか
アルプに変名したのである。
その後「土地」ないし「境界」を意味する
tô^ をつけ、
地名として Arpachiya が成立し、
現在に至っていると考えられる。
この地方に「牛頭信仰」の拠点としての
神殿があったことを
示しているといえるだろう。
※旧約聖書創世記第10章22に出てくる
セムの子孫名
アルパクサデ・Alpaxadは
このアルパチャの地に係わる
名称であることを付記しておきたい。
※イラクの考古学者イスマイル・ヒジャラ
(ISMAIL HIJARA)が1976年に報告した:
IRAQ VOLUME XLII PART2 AUTUMN 1980 ARPACHIYAH 1976
by ISMAIL HIJARA AND OTHERS
ARPACHIYAH1976
※ARPACHIYAH 1976 ISMAIL HIJARA AND OTHERS
『参考』Tell Arpachiyah (Iraq)
2019-05-26 09:13
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