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第二章 野牛狩と殺牛技法 [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]

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 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
 執筆時期:1999~2000年

《第二章 埋葬儀礼と牛頭




    チャタル・フユク遺跡の一祠堂の壁には、

 狩猟の情景が描かれていた。

 

 その壁画が復元されている。

 

 壁の中央には

 長さ二メートルに及ぶ太った雄牛が描かれ、

 その周囲を腰巻あるいは

 褌として獣皮を巻いた人々が

 弓や槍を持って野生動物を追い回している。

 

 人に比べて雄牛は巨大である。

 

 人がつけている腰巻は

 祭儀の装束ともみられている。

 

 アルパチャ遺跡出土の碗形土器にも

 野生牛二頭と狩人一人の狩猟意匠が

 描かれている。

 

 狩人が弓を引いて背には

 三叉の矛らしきものが

 負わされていることはすでに紹介した。

 

 三叉の矛はデーヴィー女神が水

 牛の魔物マヒシャ・ドゥルガーを

 圧倒する時に携えられ、

 水牛ないし雄牛の背に

 突き立てられた武器である。

 

 紀元前六千年紀のハラフ期に

 すでに野生牛を仕留める技法が

 確立していたのではなかろうか。

 

 その技法は、

 スペインなどで盛んに開催されている

 闘牛ショウの過程が参考になる。

 

 闘牛の規則と作法によると

 1チーム7人で殺牛に当たる。

 

 1人が馬上から

 牛の首根を刺すことから始まる。

 

 牛の力を削ぎ、弱らせるためである。

 

 古代の野牛狩の場合は

 弓矢を打ち込み牛の弱まるのを待ったであろう。

 

 闘牛ショウの場合は

 赤い布を駆使した見せ場が展開され、

 最後牛の命を絶つために

 剣士(マタドール)が

 剣で頚椎の間をねらって突きこむ。

 

 心臓につながる筋肉と神経を

 切断するためである。

 

 牛を瞬時にして絶命させるには

 剣を突く角度が重要であるという。

 

 マタドールの行為は、牛の咽喉を切る、

 つまり、屠殺を意味する。

 

 三叉の矛は牛を弱らせるために使われた

 槍の役目を果たしたと思われる。

 

 日本の

 『古事記・日本書紀』に記述された

 天石窟前おける

 天鈿女命の舞踏に隠された伝承を辿ると

 紀元前六千年期の

 北メソポタミアに起源があることとなる。

 

 シュメル人が

 南メソポタミアに現れる時期よりも

 アルパチヤ遺跡の時代は三千年も古い。

 

 その当時、

 牛や雄牛などを何と呼んでいたかを明かす

 言語的史料は全くない。

 

 言葉を書くという技術を

 まだ思いついていなかったのである。

 

 その事実を確認した上で、

 推測を展開してみたい。

 

 チャタル・ヒュユク


M.K記


 

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