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第一章 ドゥルガー [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]

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 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
 執筆時期:1999~2000年

《第一章 ドゥルガー》
 天鈿女命が神懸りして神に舞踊を奉納する
 巫女であることは明らかである。
 
 しかし、
 三叉の矛を持って牛を伏す
 荒々しい姿はまだみえてこない。
 
 全ページの
 「踊り子像のある石柱」に
 そのヒントはある。
 
 踊り子の足下に
 「蹲る獅子」が彫られていることで、
 この踊り子は
 獅子の上に立つ巫女と考えられるのである。
 
 そのような姿を持った物語伝承が
 インドにはあるのだろうか。
 
 全く驚きであるが、
 怖ろしい虎(獅子)を乗物として支配し、
 戦う神として
 
 「(獅子に乗り)三叉の矛で
  水牛あるいは牡牛を刺し殺す女神」
 
 がいるのである。
 
 その女神の神名が
 ドゥルガー Drugā である。
 
 艱難(druga)を冠されたこの女神は
 バラモン教の最高神の
 シヴァ Siva 神の神妃で、
 インドの神々が
 一般にかなり多くの別称を
 持っているのにならい。
 
 デーヴィ、サティ、ウマー、
 パールヴァティ、カーリー、ガウリ
 とも呼ばれる。
 
 それらの神名は
 それぞれに特有の神話に彩られている。
 
 ドゥルガー神に与えられた尊称は、
 この女神の神話、崇拝の謂れを教えてくれる。
 「マヒシャー・マルディニー 
  Mahiśa-mardini 」はその尊称である。
 
 mahiśa は
 水牛ないし牡牛を意味する魔物の名、
 mardini は殺す者、
 英語の murderei で
 「悪魔水牛を退治するもの」となる。
 
 またの尊称 
 Mahiśâsura-sudini は
 「水牛の魔神を圧しつぶすもの」の意である。
 
 三叉の矛を逆手に取って
 水牛または牡牛に突き立てている
 女神がドゥルガーの造形を
 捜し出すのは容易い。
 
 なぜならば、
 現在においても一般に親しみのある
 モティーフであるからである。
 
 ヒンズー教の神として印刷された図像は
 インドの人々の日常生活に入り込んでいる。
 
 各家庭の台所やレストランの調理場に
 張られているし、
 名刺大のカードに印刷された女神は
 人々の懐に入れられ持ち歩かれている。
 
 食膳の神として
 豊穣の神として
 尊崇されているのである。
 
 西インド、ヴィンダヤ山脈の南方
 アウランガーバード
 北西に名高いエローラの石窟がある。
 
 仏教、ヒンズー教などの石窟が七十余あり、
 その地域は約2キロメートルに亘っている。
 
 その中の第一四窟に
 ドゥルガー像が浮彫りされている。
 
 憤怒の形相の女神は
 左手で牛の口先を圧さえ、
 右足でその臀部を踏みつけ、
 右手を逆手に矛を持って
 水牛の背に突き立てている。
 
 この戦いに臨んだ
 女神は十本の手に
 十の武器を手草んでいるのだが、
 ここでは四本の手に武器を持たせている。
 
 この姿こそ
 『古事記』にいう
 
 「小竹葉(ささば)を手草(たぐさ)に結ひて
  天の石屋戸に汗気伏せて蹈み登杼呂許志」
 
 の実像と考える。
M.K記
 連絡先:090-2485-7908
 

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