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第十五章 大黒柱と大己貴命:東鯷国 [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]



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創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
 執筆時期:1999~2000年

第十五章 大黒柱と大己貴命:
 東鯷国
 
  山椒魚の別称を地名とした地域が
 東海地方以西の日本に多い。
 
 棲息分布地域にそれは重なっている。
 
 「睪」は
 三重県多気郡、
 島根県の簸川郡多伎町、
 佐賀県の多久市など、
 
 「鍜」は「えび」と訓むが
 宮崎県のえびの市の祖語である。
 
 「鯢」は「げい」で
 広島県の西部を「芸(げい)州」といった。
 
 山椒魚は
 外鰓(がいさい)のある両棲類だが、
 この「鰓」は「顎」のことで
 「あご、あぎ、あぎと」である。
 
 芸州は後に
 「安芸(あぎ)」と呼ばれるようになったが、
 その名は顎である。
 
 安芸は広島県ばかりでない。
 
 三重県、
 高知県、
 大分県(安岐)にある。
 
 特に
 「大分」は
 「顎田」 を「碩田」と表記した地名で
 祖語は「あぎと」にある。
 
 大山椒魚は一般にハンザキといわれ、
 
 地方によっては
 ハザコ、
 アンコ、
 ハジッコイ、
 ハジコイ、
 ハゼッコイ、
 ハダカス、
 ハジカミなどと呼ばれた。
 
 ハンザキは
 佐賀県神埼郡(神崎郡)、
 大分市から国東半島への海岸沿いにある
 神崎など。
 
 ハザ、
 ハジは地方によって訛るが、
 
 岡山県の高梁市や
 奈良県桜井市の初瀬(長谷)はその名称である。
 
 大神神社の近くにその地名はあるのである。
 
 「黒」は
 三重県安芸郡河芸の黒田、
 松阪市の黒田町、大黒田町など。
 
 このように
 東海(岐阜県、三重県) 、
 近畿、
 中国、
 九州に
 それらは集中している。
 
 それにしても広い範囲に
 その名称があることは
 それだけ山椒魚に対する
 信仰があったという証である。
 
 それらの地域はまた
 「山椒魚国」であった。
 
 「山椒魚国」の存在を証明している
 史料が中国の史書にある。
 
 それが「東鯷国」である。
 
 漢書「地理志」の呉国の条の最後に
 
 「会稽郡の海上には東鯷国があり、
  20数国あまりに分かれ、
  その歳おりふし貢物を持って
  来見するといわれる。」
 
 その東鯷国が
 一般に日本のことと考えられている。
 
 漢書「地理志」は
 前漢の終末紀元2年
 に成ったと伝えられているので、
 
 日本についての、
 本書が「山海経」の
 天毒、姑射を日本に関係する地名と
 解釈することを除けば最古の記録となる。
 
 一般に
 東鯷国は
 日本のことと認められている
 という点においてである。
 
 「漢委奴国王」の印璽(金印)を受けた
 倭の委奴国の後漢への遣使が
 紀元57年のことであるから、
 それより少なくとも55年以上前から
 東鯷国の情報は
 漢へ伝わっていたことになる。
 
 「東鯷」とは何かを確認する。
 
 これを「東方の鯷」とまず解釈される。
 
 「鯷」は「おおなまず」の意味である。
 
 大漢和辞典には
 
 「鯷、ティ、ダイ、シ、ジ、おおなまず、
  鮧、鮷に同じ」とある。
 
 「鮷」は「ティ、ダイ、おおなまず、
 〔説文、通訓定事〕、
  鮷字亦作㈡鮷、鯷、䱱㈠」とある。
 
 「䱱」こそ「山椒魚」を表わし、
 「鯷」の実際は䱱である
 大山椒魚をいっているものと
 解釈されるのである。
 
 「䱱、ティ、ダイ、さんしょううほ、
  或は鮷につくる」
 
 と記す。
 
 大漢和辞典は、「玉篇」に
 
 「䱱魚、四足、其音如嬰兒、食之無癡疾。 
  顯示全文…」
 
 「睪沅注」に
  「䱱、即兒魚、字亦鮷、此作䱱、俗世」、
 
 「集韻」に「䱱一曰、魚黒色」、
 
 「山海経中山経」に
 
 「休水出焉、其中多䱱魚、狀如(執+皿)蜼而長距、
  足白而、食者無蠱疾、可以禦兵。」
 との参考を挙げているが、
 「集韻」が
 山椒魚を「黒色」というと言っている。
 䱱の由来は「䱱魚」であると前述した
 「爾雅」の「聲如小兒啼」に対応する。
 また「鯢」も「兒魚」でその「小兒」に対応する。
 この様に漢の時代紀元前後の頃、
 東方に
 「山椒魚の国」があることを
 史書は認めているのである。
 大国主神の祖像を「大黒主」とし、
 大山椒魚であるとの見解が
 独りよがりでないことを
 これで確認してもらえるだろう。
 
M.K記
連絡先:090-2485-7908

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