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第十一章 日本に祀られたインドの神々『埼玉・鹿島:剣持神の国』(1)前玉神社 [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]




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創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
 執筆時期:1999~2000年
 
《第十一章 日本に祀られたインドの神々:
『埼玉・鹿島:剣持神の国』(1)前玉神社》
  
  埼玉県草加市はかっての
   武蔵國足立郡のうちであるが、
 その北側は埼玉郡である。
 
 同郡名は、
 和名類聚抄には「佐伊太末、佐以多萬」と
   訓じられているが、
 
 万葉集の「東歌」に「佐去多萬」と詠まれ、
 また正倉院文書の神亀3(726)年の
  「山背国計帳」に「武蔵国前玉郡」の
   表記があることから
  「サキタマ」が「サイタマ」に
   先んじていたと考えられている。
 
 その語源を本居宣長が
    「幸魂(さきたま)」の転訛と説いたため、
 長くそれが信じられていた。
 
 和名類聚抄の埼玉郡には「埼玉郷」が載る。
 
 同郷は現在の行田市埼玉がその同定地である。
 
 ここには延喜式神名帳武蔵国埼玉郡に
  「前玉神社二座」と記された同名社が鎮座する。
 
 祭神は現在前玉彦命、前玉姫命の二神である。
 
 サキタマは
 この神社名に係わるものと考えられる。
 
 同社近くには「さきたま古墳公園」があるように
 古代には
   武蔵国北部の政治的権力の中心地であった。
 
 この「サキタマ」にも
  インドラ神の影が潜在しているのである。
 
 中世からここは忍(おし)氏の本拠で
 忍城があった。
 
  「オシ」はサンスクリット語の 
    asi の転訛である。
 
 忍地区の東方になる長野(ながの)は「オサノ」で
 本来は aśani の転訛とみられ、
 ここでは a が オ と発音される。
 
 Aśani は同市の北端須加と同じく
    「雷光、雷雲」である。
 
 須加は
   茨城県桜井村・東町の須賀神社でみたように
 śucyah(śuci) によるもので、
 須加地区内にも雷電神社が二社ある。
 
 これに対し asi は「剣・刀」を表わす。
 
  「相模:ドゥルガー・プーシャーの里」で
 足柄とは
   asi-kāra(刀鍛冶) であるとしたのと同語である。
 
 なぜそう解釈できるかというと、
 「サキタマ」はサンスクリット語の
   śaktimat 「剣(刀)を持つ」 
 に対応するからである。
 
 Śakti は本来「力、技能、能力」の意味ながら、
  「刀、槍、戈」を意味し、
   -mat は「持つ、見える」を表わす。
 
 よって śakti-mat (サキタマ)は
  「剣持」ないし「太刀持ち」を表わし、
 これはインドラ神の呼称である。
 
 京都市伏見区の稲荷山のお山に雷石があるが、
 その磐座はまた「劒石」と称されており、
 インドラ神の武器。
 
   雷光はまた剣と解釈されたのであり、
 忍(asi)が aśani (長野)なのである。
 
 さらなる傍証もある。
 忍の西方の持田地区に剣神社があり、
 この持田のさらに西側に続いて
 熊谷市佐谷田(さやだ)地区があるが、
 これは「サコタ」で śakti 、
   持田は -mat の転訛で
 佐谷田-持田は śakti-mat である。
 
 同様の例を相模の「寒川-倉見」が
 samkrama を分けたものとして紹介した。
 
 このような周辺状況からも
  「前玉」が「剣持神」であることを理解できる。
 
 市名の行田(ぎょうだ)は「コウダ」で
    「幸田」を転写したもので、
 śakti が祖語である。
 
  「行」字が使われているのは、
 後に述べる「加利」の祖語 cari が
  「行くこと、行」の意味であることによる。
 
 行田市の西側に位置する熊谷市は
 かって幡羅(はら)郡であったが、
 この「ハタラ」は
 サンスクリット語の
 vadhar の転訛で、本来「飛び道具」であるが
 インドラ神の雷電(金鋼杵:刀)を表わす。
 
 市内の上奈良にある豊布都神社は
  「天-剣」の意味で「幡羅」と同義となる。
 
 豊は第一章祝祭の「豊宇気毘売神」で紹介した
 dyo で「天の」、
 布都は「刀」として通称されている。
 
 前玉神社の南隣り「渡柳」は
 ワタリでこれも Vadhar の転訛と考えられる。
 
 熊谷市本町には千形神社が鎮座する。
 
   「千形」も近津と祖語を同じくする
   cikitśa の転訛であり、
 
 この地でインドの医方明(いほうみょう)が
 行われていたことを示す。
 
 その北方柿沼にも雀神社があり、
  「柿」は「古賀:小鳥信仰」で紹介した
 小鳥の意味の
 kha-ga に依るものであろう。
 
 行田市内の下増田の近殿神社、
  「ちかつ」である四方寺の湯殿神社
 (奈良新田にも同名社がある)も
 医薬に係わる神社である。
 
 このようにこの地方には
 インドの古代文化と深い関係が
   潜在しているのである。
 
M.K記
連絡先:090-2485-7908
 

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