第二章 高床式神殿の祭神(二)水神 [創世紀(牛角と祝祭・その民族系譜)]
『バグダッド下水音頭』http://blog.livedoor.jp/matmkanehara10/archives/52049176.html
《第二章 高床式神殿の祭神(二)水神》
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(かっこ○´д`○)こんにちわぁ♪
創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
アルパチヤの碗形土器には
二人の人間の身長よりも大きい壺が
描かれている。
壺はアッカドのマルドゥク王の場合のように
王の象徴でもあった。
ハラフ期・ウバイド期の神殿に
残された壺の中からは
穀物、動物の骨、魚の骨などが
発見されていて、
神殿への奉納のための容器として
使われたことを示している。
しかし、
牛頭・マルタ十字紋と並列された壺には
単なる貯蔵用容器を表すだけでない
神への期待が込められている。
「水の恵み」を
祈願しているものとみられるのである。
シュメル語の畑を表す
aša は「真ん中に水がある」字義で、
農耕のために水がいかに
貴重視されていたかが解る。
「ア a 」が水、
「シャ sa 」が中央を表す。
高床式神殿の「高み」にある聖所は
suku ないし sug と称したことは
紹介済みだが、
この用語の絵文字は「○の中に横∬」で、
容器の中に水があることを表している。
楔形文字になると、
刻文は一つでも「池・堤」を表し、
amber と読まれた。
また、
天空 zikum を表す楔形文字は
engur とも読まれ
「深海」ないし「深水」の意味で、
大量の水を想像させる。
河川は「 id イドゥ」であるが、
その楔形文字は水と
engur/zikumとの合成語である。
エリドゥの神殿の呼称は
e engur で「水の神殿」の意である。
Engur の楔形文字を分析すると、
容器( gur )が星型米( an )を囲んでいる。
つまりengur は an-gur であり、
「天にある容器」と解釈でき、
雨を降らせるために水を貯える
天の壺と考えられる。
壺は dug ないし duk と呼ばれた。
この楔形文字はまた buk とも読まれ、
動詞形になり、「所蔵する」の意味になる。
さらにこの語は「耕作する」にも使われ、
神殿の壺が穀物の豊饒を祈っていることも
理解される。
アルパチャ遺跡の碗形土器
神殿の壺
Tell Arpachiyah (Iraq)
高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、
マルタ十字紋等
(アルパチア遺跡出土の碗形土器に
描かれている)
M.K記
2019-05-31 08:34
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